step7 クリア(トップコート)・乾燥
ベースを保護しツヤを出すために行われる塗装の最終工程、クリア(トップコート)・乾燥の作業工程について説明します。ベースコートだけではツヤがなく剥がれてしまうので、上塗りのクリアを塗装します。この時に塗装面が均等になるように丁寧に塗り重ねていきます。クリアは厚みがあり、乾燥に時間がかかるため乾燥機を用いてしっかりと乾燥させていきます。塗装してすぐに加熱しすぎるとクリアが沸いて気泡ができてしまうので、塗面の温度をセンサーで計り、一定の温度を保ちながら乾燥させます。ニコニコ板金館で使用しているIRT乾燥機は対象物の温度を計測しながら温めることができる優れもので、AudiやBMW、メルセデスベンツなど世界の自動車メーカーでも使用されています。
step7-1
クリアの吹付け
①季節によってクリアの液体に入れる溶剤の比率や成分が変わります。複数の液体を混ぜてできたクリアから不純物などを取り除くために一度濾過します。
②クリアを車体に吹き付けていきます。一か所に偏ってムラが出ないように満遍なく手を動かして大きな範囲で吹き付けていきます。
step7-2
クリア塗装後の乾燥作業
④クリアを塗装したハッチの姿です。この段階ではまだクリアが乾いて定着していない状況です。
⑤クリアを乾かしていきます。この時、送風による乾燥ではなく車体に付着した液体を内側から乾かす事の出来る特殊なヒーターを使います。温度をいきなり上げるのではなく、乾かすのに最適な温度へと徐々に近付けていきます。
⑥ある程度時間が経過すると表面は炙られているように見えます。実際は表面だけではなく内側から熱が伝わって乾燥します。
step7 クリア(トップコート)・乾燥
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